D Q IV
□勇者と魔王の出会い(アレクver.)
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「今日は、おじさん!外から来た人がいるって聞いたんだけど!」
父親に弁当を届けおわったアレクは宿屋に着くなり、問いかけた。
カウンター内にいたこの村で唯一の宿屋の主人がびっくりした顔でアレクを見た。
「ねぇ!」
宿屋の主人は呆気にとられていたのか、アレクに再度呼び掛けられ、正気に戻った。
「あ、ああ。詩人さんでなんでも道に迷ったらしい」
「そうなんだ…。ねぇ、話を聞きに行ってもいいかな?」
アレクは首を傾げ、お願いのポーズをしている(笑)
宿屋の主人は苦笑いを浮かべてはいたが、迷惑を掛けないように!と言うとアレクを連れ、泊まっているという部屋まで行くと、ドアをノックをした。
「……どうぞ」
中からよく通る低い声が聞こえた。
アレクは少し緊張しながら部屋へと入った。
「まさかこんな山奥の村にきみのような子供がいるなんて…驚きました」
「子供って言っても二人しかいないんですけどね」
アレクは照れ臭そうに言った。
「二人?」
「ええ、女の子がもう一人いるだけなんです。あとは大人ばかりで…」
「ほほう…」
「それで…外の話、もっと聞かせてください」
「いいでしょう。あれは…」
アレクは旅の詩人に色々な話を聞いた。
そして、夕暮れが近づいてきたので、おいとましたのだった。
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