D F F
□ネコミミフードの話 前編
3ページ/4ページ
次の日。
『うぎゃーーーーーーーっ!!!!!!』
朝っぱらから野太い悲鳴があるテントから響き渡りました。
あの後、野営の準備をしている場所まで戻った4人は、いつものように食事を平らげ、就寝しました。
その時にはなんとも無かったのです。ええ、その時には。
「な・・・な・・・・・な・・・・・・・・・・」
「「?」」
「・・・・・・・・・・・」
約2名ほどよく解っていない人もいるようですが、とりあえず1番目:フリオニール、2・3番目:WoL・セシル、
4番目:ジタン、と言ったところでしょうか。ジタンは口を大きく開けて言葉が出せないようです。
とりあえず男性用のテントは2つあるので、まずはWoL・フリオニール・クラウド・ティーダの使っているテントから
覘いて見る事にしましょう。
「な・・・・・・な・・・・・・・」
「? どうしたんだ、フリオニール?」
フリオニールはあまりの出来事に言葉が出ないようです。
このテントで一番早起きのWoLは、よく分からない様子で首を傾げています。・・・いや、彼は何時いかなる時でも
無表情に近いので、傾げている様な雰囲気、というのが正しいようです。
「なんなんだっ! コレは!!!!!」
フリオニールはおもむろに頭を触ったかと思うとその感触を確かめました。
「・・・・・・・フリオニール」
「え、なんだ?」
声をかけてきたWoLの方を向いたフリオニールは、その視線の先の光景にまたもや雄叫びを上げたのでした。
「ライト・・・・なんでネコミミフードを被っているんだ」
昨日まで装備していなかったはずなのに・・・・。とフリオニールは言いました。
「ネコミミ? ・・・・・・いつのまに」
「ちょ・・・・気付いていなかったのか?」
フリオニールは背中に冷たいものが流れるのを感じました。
「ああ、君に言われるまで気が付かなかった。・・・・ところで」
「ん?」
「フリオニール、君はなぜ縮んでいるんだ?」
フリオニールは自分の掌を見てまたもや絶叫しました。
「・・・・・うるさい」
なお、クラウドとティーダはまだ夢の中でした。
と言うわけで、少しトリップしてしまったフリオニールは放って置いて、もう一つのテントの方へと行って見ましょう。
こちらはセシル・バッツ・スコール・ジタンが使っているテントです。
あらあら、ジタンはいまだ口を開けたまま固まっているようです。
「・・・・・・セシル」
「? なんだい?」
セシルはきょとんと首を傾げました。20歳の青年の仕草にしては可愛すぎると思うのは気のせいでしょうか?
いつもと同じその仕草も、この日ばかりは少し違いました。
「その格好は・・・、なんなんだ?」
言葉が出せないジタンに変わってスコールが聞きました。
「その格好は・・・・って、あれ?」
セシルは自分の掌をにぎぱーにぎぱーと握ったり開いたりを繰り返すと、困ったように笑いました。
「あははは・・・・・・・。なんだかよく解らないけれど小さくなっているみたいだね」
なぜそんなに落ち着いていられるのかはよく解りませんが、さすがは月の民とでも言うのでしょうか。
ここにゴルベーザがいても『いいですとも!』で済まされるような気がしてなりません。
スコールは思わず『黒くなりたい・・・・』と呟きました。
「はっ! って、そうじゃないだろっ!!」
そこでジタンが正気に戻ったようで、セシルに詰め寄ってきました。
「なに?」
セシルに純真な赤ん坊のような澄んだ瞳で見つめられたジタンは、思わずうっとなってしまいました。
しかも首を傾げているので破壊力抜群です。ですが、言葉が詰まりながらもジタンは何とか問いかけました。
「いや・・・・その・・・・・、何でセシルもネコミミフードつけてるんだ?」
「朝起きたら着けてたんだ。しかも取れないみたい」
ふふふ・・・・と微笑むセシルにジタンとスコールは頭を抱えています。
ちなみにバッツはいびきをかいて眠っているのでした。
あとがきへ→