D F F
□ネコミミフードの話 後編
2ページ/5ページ
「さて・・・早朝から集まってもらったのは申し訳ないが、由々しき事態が起きた」
あの一部の騒ぎの後、テントからいつもと変わらぬ風貌で出てきたのはWoLでした。
しかしその頭部には、昨夜まで装備していなかったはずのモノが、とても眩しく映ります。
焚き火を中心に、それぞれのテントから皆を集合させると、WoLは立ち上がりさらに注目を集めます。
(ちょっ・・・・!?)
(ネコミミフード!?)
(ネコミミフード・・・・いいなぁ)
「・・・・なんでネコミミフードかぶってるんスか?」
KYキャラとして有名なティーダが、そのままずばりに聞き返しました。強者です。
他の皆はWoLの視線に目を逸らしたり、羨ましそうに眺めているだけだったのに。
「それも含めて説明しよう。・・・・・セシル、フリオニールはまだ出てこないのか?」
「うん。今ジタンに呼びに行ってもらっている所だよ」
WoLの横にはいつの間にやらセシルが居たようです。しかし皆の視線の場所にあるはずの彼の顔が見当たりません。
その代わり、ネコミミフードの上部と顔部分の場所からはみ出している銀髪のあほ毛が
ピコピコと動いているのが見えます。
他の皆は視線を少し下に動かしました。
そこにはいつもと変わらぬ笑みを浮かべながらきゃるんと首を傾げる小さくなったセシルがいました。
「「「えええええぇぇぇ!?」」」
すでにその状態を知っていたWoL・バッツ・スコールは無表情・苦笑い・顔を背けるといった表情で
その光景を見ています。
ティナは口に手を当てて、『あら、まあ・・・・』と某家政婦のような反応をしていました。
それ以外の皆は驚きのあまり口が開いたまま固まっています。
ネコミミフードをかぶって、ちょこんとWoLの隣に座り、ニコニコと首を傾げながら周りを眺めている
小さくなったセシルに、驚くなという方が無理でしょう。
しかもなぜだかは分かりませんが、彼がいつも着ている鎧までもがミニサイズになっているのです。
「ふふふ・・・・驚かせてごめんね? 僕もどうしてこうなったのかよく解らなくて・・・・・」
その割には落ち着いて見えるのはやはり月の民というのは一般と違うのでしょうか。
「ごめんごめん! フリオニールに着せる服が無くってさ〜。とりあえずオレの着替え用のシャツ着せてたら
遅くなって・・・・、何で皆固まってんの?」
そこに謝りながら現れたのは先の二人と同じくネコミミフードを装着したジタンと、脇に抱えられている
ネコミミフード・・・・じゃなかった、セシルと同様に小さくなったフリオニールでした。
NEXT→