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□ネコミミフードの話 後編
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「・・・・現状は解った。しかし・・・何でこんな事になったんだ?」
いまだ驚愕に固まっている面々の中、いち早く我に返ったクラウドがWoLに話しかけました。
「私にも解らないのだが・・・・・。朝目が覚めたらすでにこの姿だったことは確かだ」
WoLはジタンが連れて来たフリオニールの方へと視線を移します。ソコにはティナにふかふかされている
ネコミミフード・・・では無く、フードをつけたフリオニールが真っ赤な顔でもがいていました。
しかしいくらもがいても、ティナの腕を振り解けません。身体が小さくなって、力も落ちてしまったのでしょう。
ティナの身体の柔らかさに、真っ赤だった顔をさらに赤く染めてしまっているようです。
「ティナ、そろそろ解放してあげてくれないかな? そのままだと苦しそうだから」
同じようにWoLの隣からその光景を見ていたセシルが、チョコチョコと歩いてティナの元まで行くと、
苦笑を浮かべながらそう言いました。
セシルの言葉にティナはフリオニールを解放してあげました。「ふかふか・・・・」と、
ふかふかしたりなさそうな目で見ていますが、この状況では、無視をするしかありません。
「大丈夫かい?」
「あ、ああ・・・・、死ぬかと思った。ありがとう、セシル」
「どういたしまして」
頬の赤みが残ったまま、にぱっと笑ったフリオニールとふんわりと笑うセシルに、その場がほわわんとしました。
和んでいます。
「さて、落ち着いたところで、本題に入ろうか」
そんなほわわんとした雰囲気も、いつも間にやら二人の傍に来て挟まれる様に座っているWoLの声に、
皆が我に返りました。
「・・・・何か変なものでも拾って食べたのか?」
「おいおい、セシルやライトがそんなことすると思うか?」
クラウドの言葉にバッツが苦笑いを浮かべています。
「バッツ〜? それはオレやフリオニールならやりそうな事だと?」
ちょっと、画面にお見せできないくらいのゆがんだ顔になったネコミミフード装備のジタンに、
バッツが焦っています。
「変なものなんて食べてないんだが・・・・・・あ」
「? 何か思い出したのか?」
フリオニールの言葉に一同が視線を向けました。
「もしかしたら・・・・あのポーション、か?」
「ポーション?」
「ああ。昨日、森を彷徨っていたら偶然宝箱を見つけてな。開けてみたらポーションだったんだ」
「・・・・・もしかしなくてもそれだと思うぞ」
フリオニールの言葉にジタンがげんなりとした表情でなにやら折りたたまれた紙を懐から取り出しました。
それは昨日、フリオニールが見つけた宝箱の中には言っていた手紙でした。
「コレ読んだときから怪しいとは思っていたんだけどな・・・・・」
ジタンはそう言ってWoL達に渡しました。
『期間限定ポーション!
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道具屋:ウボァー』
「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」
ティナとフリオニールを除く、全員の思考に一人の人物が浮かび上がったのが言うまでもありません。
それと同時に、何でコレで気が付かないんだ、フリオニール! と思った事も言うまでもありません。
「? どうしたんだ、皆?」
「ううん、なんでもないよ。・・・・昨日貰ったポーションって、宝箱からの物だったんだね?」
セシルの言葉に、フリオニールはこくんと頷きました。
そのやり取りを見ていたWoLは、はあ・・・と深い溜息をつきました。
自分が貰った物もそうだったのだろうと見当が付いたからです。
「・・・・とりあえず」
WoLはそう言うと小脇にセシルとフリオニールを抱えると、立ち上がりました。
いきなりの事に吃驚している二人と、それを呆然と見ているほかの皆の方へと向きなおすと、WoLは言いました。
「元凶にお仕置きをしに行こうか」
ニヤリと、いつもとは違う笑みを浮かべるWoLの姿がそこにありました。
数時間後、パンデモニウムに聞き覚えのある断末魔が響き渡りました。
一先ず終わり?
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