真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ

□2007年 ハロウィンSS『赤い月』
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「おはようございます」

陸遜はいつものように挨拶を交わした。

すでに執務室には周瑜によって強制連行された孫策も珍しく仕事を始めていた。

「おう!・・・・って、どうしたんだお前?」

「???なにがです?」

孫策の問いに陸遜はきょとんとして首を傾げた。

「なにがって・・・自分で気づいてねぇのか?」

「え?」

「・・・・朝、鏡見たか?」

「いえ、珍しく寝坊してしまって・・・・ぎりぎりだったので朝餉もまだですけど・・・」

頬を掻きながら陸遜は問いに答える。

「・・・・・・・おい周瑜」

「ああ、連れて行っていいぞ」

なにやら深刻そうな顔をした二人に、陸遜は顔を傾げるばかりだ。

呆然としている陸遜の腕を取り、孫策は執務室を後にした。














「ちょ・・・伯符様?!」

やっと我に返ったのか、執務室から少し離れたところで陸遜が孫策に話しかけた。

「いいから黙ってこい」

めずらしく真剣な声で返され、陸遜はそれに従った。






腕を引かれて着いていった先は、孫策の自室。

入る事に躊躇していた陸遜の腕を孫策は強引に引っ張り、室内に引きずり込んだ。

室内に入るなり、孫策は陸遜の目の前に杯を差し出した。

「な・・・なんですかこれ・・・?」

「いいから飲め」

飲む事に戸惑っている陸遜に業を煮やしたのか、孫策はその杯を一気にあおると次の瞬間、陸遜に唇を重ねていた。

「んう・・・・・・んんっ」

ごっくん。

完全に飲み込んだ事が分かったら、孫策は唇を離した。

口移しで強引に飲まされたソレはなんとも言いがたい味で、陸遜は口に手を当てつつ眉間にしわを寄せる。

思わず孫策を睨もうとしたが、次の瞬間には目を閉じてしまっていた。

急に力を失って倒れこむ陸遜の身体を孫策が抱きとめる。

「・・・・ったく。こうでもしないと言うこと聞きそうにねぇしな」

あんなにひどい顔をしてきやがって・・・。

孫策は声に出さずに心の中で呟いた。









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