忍者

□君が抱きたい
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「どうしたの、ぼーっとして」

 
「…なんでもない」


「サソリ、変」


「変で結構」




そうやってまた笑ってみせる

こんな時代遅れの退屈な男の胸には、

ちょっと辛い、その微笑み




 
「赤砂のサソリ…ねぇ」


「なんか文句あっか」


「ん、なんでもないけど。ただ、なんとなく?」


「俺に聞くな」



 
お前を射止めるために築いてきた筋書きは

こうしてまた、崩れていく



 
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