Rolling Lovers!

□4.最悪で最良の出会い
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鍵を挿そうとすると、おかしな事に気付いた。

「開いてる……?」

ノブを回すと、簡単にドアは開いた。

「お−い、入んで」

部屋に入った途端。

ガッ、ドタン。

部屋の奥で音がしたと思ったら、若い男が一人、嵐のように去っていった。
すれ違いざまに、僅かに見えた顔には、見覚えがあった。
あれはまさか…。

ふと床を見ると、学生証らしき物が落ちている。

「最っ悪なタイミングだな、お前」

いきなり現れた慶に驚き、慌てて、拾った学生証をズボンの後ろポケットにねじ込む。
プラスチックで出来た立派なカードだから、まずは折れないだろう。

「またやったんか…?慶」

「うまく行くと思ったんだよ、お前の時みたいに」

言いながら、リビングへと誘導されるが、俺は首をふって断った。
慶は同じ男でも、ノン気の男を相手にするのが好きらしい。
だから実際は、俺以外にも、何人か被害者が居るんじゃないかと思う。
もっとも、慶は口がうまく、マメだから、被害者だなんて思ってるのは俺だけだろうが。

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