Rolling Lovers!

□4.最悪で最良の出会い
4ページ/8ページ

あの夜手に入れた学生証の主は、白砂 満勝。
しらすな みちまさと読むらしい。
一見するとどう読むか分からない名前だが、そんな事はどうでもいい。
肝心なのはその横にある、証明写真。
何回も見直したが、間違いない。
間違える訳がない。
この、どこか不機嫌そうな、それでいてキチンと整った顔…。
毎週水曜日に、俺がカフェで気にしていた店員だった。

これを手に入れるまでは何も感じてなかったが、無いと思っていた接点を掴んで、今まで無いほど俺は浮かれていた。
あの夜から、丸一日はさんでいるし、慶の知り合いとは言え、仕事の付き合いみたいなもんだ。
どうとでも解釈は出来るし、誤魔化せる。
あの店員…白砂に話し掛ける口実ができたのだ、実行に移さない手は無いだろう。

いよいよ水曜日がやってくると、柄にもなく緊張してくる。
いつもと同じように、不自然なトコロが無いように……。
考えれば考える程、自分の挙動1つ1つが不自然に思えてくる。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ