Rolling Lovers!

□4.最悪で最良の出会い
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音楽雑誌で担当を持って一年。
俺は新たな部署に移る事になった。
報告と、挨拶。
それに、部屋の合い鍵を返す為、部署が変わったその日の夜、俺は慶のマンションへと向かった。

慶と縁が切れるとして、これから俺はどうするのだろうか。
胸にずっと居座っている、やり場の無いこの虚しさは、慶との関係の中でも何も変わらなかった。
とは言え、相手が本気で無い分、気を紛らわすにはいい相手だったのだ。
でも、やはり…。
もう何も考えず、仕事に打ち込むのが俺にとって一番なのだろう。
慶との繋がりがあって良いことが、有るわけでもなし。

そんなこんなを考えているうちに、慶のマンションに着く。
付き合っていた訳でもないから、今までの関係を止めると言っても、特に驚きはしないだろう。
アイツの驚いた顔を、見たい気もするが…。

呼び鈴を鳴らすと、何か物音が聞こえた。
しかし人が出てくる気配はない。
俺が来たとタカをくくって、出ないつもりか?
無精者め…。

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