月華綺單

□7.Vampire
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「吸血鬼…?」

飲んでいた輪の中で、一番体格のいい男が、訝しげに繰り返す。
今さっき、店の扉を壊さんばかりに開けて来た小柄な男は、首を大きく振ると、また叫ぶ。

「いい加減、幽玄の森を調査しようって事になって、町長に頼まれたんだ。3人で入って、狼が出ないうちに一旦戻ろうとした時に……出たんだ!吸血鬼が!」

「居ないって事は、2人はやられたって事か…でもお前、吸血鬼なんてのは、今時子供でも信じないぜ」

「ほんとなんだ!」

「何かを見間違えたとか…殺人鬼が居ると言われた方がまだ信じられる」

「あぁ確かに…だがそうなら、俺たち自警団が出た方が良さそうだな」

今まで話半分に聞いていた男たちが、酒を放すと、真剣に向き合い始めた。

「相手はどんな奴だった?」

「女だ…」

「女?」

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