main

□white day.
1ページ/5ページ


3月14日

from 明智健悟

本文

学校が終わったら警視庁まで来ていただけませんか?
今日は早く帰れそうです。一緒に帰りましょう






明智からメールが来たのは、昼休みの頃だった。
明智からメールが来るのは珍しい事では無く、仕事が早く終わる日は必ずと言っていい程お誘いのメールを送ってくれる。
しかしそのお誘いメールも、ここ最近…先月のバレンタインデーの辺りから送られて来る事がなくなっていた。
事件が立て続けに起こり会える事は愚か、電話で話す事もままならなかったのだ。




「はじめちゃん、何ニヤニヤしてるの?」

放課後の帰り道、先ほどから携帯電話の液晶画面を何度も見てはニヤニヤしている幼なじみの顔を、美雪が不思議そうに覗き込む。

「えっ!?いやっ何でも無いって!」

画面を見られそうになり慌てて携帯をしまうと、美雪が頬を膨らましながら少し拗ねたように抗議の声を上げた。

「うそよー!だってはじめちゃん、昼休みからしょっちゅう携帯見てはニヤニヤしてたじゃない!?」


「///してないって!絶対してない!!お前の気のせいだよ!」

図星を指されて頬が熱くなっていくのが分かる。
そんなはじめの態度に何か感ずいたのか美雪がニヤリと笑った。

「あ〜、なる程…明智さんかぁ〜」

「はあ!?」

「そーだよねぇ、今日ホワイトデーだもんね〜?はじめちゃんバレンタイン頑張ってたし、この後はラブラブデートかぁ〜」

美雪の言葉に耳まで真っ赤になっていく。
こういう時の女の勘というのは恐ろしいと思う


(ジッチャンより名探偵なんじゃねぇの?)

しかし感心している暇は無い。
これ以上からかわれるのも困るので話題を逸らす事にした。


「そ、そっちはどうなんだよっ!?お前だって今日は草太とデートなんだろ?」

「えっ?///まぁね」

作戦成功。草太を話題に出すと美雪の頬が赤く色付いた。

「良いのかよ?待ち合わせに遅れるぞ?」

からかうように問い掛けると、美雪が慌てて時計を確認した。

「やだっ!もうこんな時間!?じゃあ、はじめちゃんまた月曜日ね!」

明智さんによろしくね〜!! と言いながら走り去って行く幼なじみの背中を見つめながら、はじめは良かった。と思っていた






明智と付き合い始めてすぐに、はじめは美雪に全てを打ち明けた。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ