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□burn with love
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「くか〜…う〜ん…」
もう食べられないなどと寝言を言いながら気持ち良さそうに眠っている一を見て、明智は吹き出してしまった。
「本当に仕方ないですね。君には危機感と言うものはないんですかね?」とこぼしているが、表情はどこか楽しそうだ。
どのみちこれでは起こしても勉強など絶対しないだろう。
というか朝まで目を覚まさないだろうなと明智は一が座っている椅子に掛かっているブレザーのポケットから一の携帯を取り出し、一の自宅へと電話をした。

母親に一が勉強を教えている最中に眠ってしまった事、そして今日はこのまま泊まらせる事を告げた
明智は一の母親と面識があり、その時の明智に対する印象もかなり良いものだった(一から言わせれば騙されているらしいが…)ので泊まらせると告げた時、迷惑がられる所か
「本当にすみません」
と恐縮されてしまった位だ
次の日に一をきちんと学校に行かせる約束をして明智は電話を切った。

「…さて……」
一の携帯をパタンと閉じ、元あった場所に戻すと眠っている一へと向き直り
「金田一君、こんな所で寝たら風邪を引きますよ」
と一の肩を揺する
が、一は熟睡しきっていて一向に目を覚ます気配がない。


明智は気持ち良さそうな一の寝顔を見ながらフゥと軽くため息を吐き、仕方がないですねと言いながら、寝ている一をヒョイと抱き上げた。
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