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□a day with a snow
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キラキラ輝くイルミネーションと軽快な音楽が街中を明るい気分にさせる。

ー今日はクリスマスイブー

恋人達の一大イベントの一つ。
当たり前だがどこもかしこもカップルだらけだ
それは明智とはじめも同じだった。

「ごっそーさまでした。は〜、うまかったぁ」
「相変わらず良い食べっぷりですね…」

お洒落なイタリアンレストラン、テーブルにはじめと向かい合って座っていた明智が少し呆れたようにはじめに言った。
「うっせ!俺は成長期なんですぅ」
「その栄養がきちんと脳まで渡れば良いですけどね。」
お決まりの言い合いをしていた2人が見つめ合いプッと吹き出す。
しばらく笑い合っていた2人だが、ふいにはじめの顔が曇った。
「明智さん、疲れてない…?仕事、忙しかったんだろ、マンション帰る??」
「君が心配する必要はありませんよ?私が今日君と過ごしたくて勝手にしたんですから」
ごめん と申し訳なさそうに呟くはじめの頭をクシャリと撫でながら明智が言う。




警察官にクリスマスなどというものは関係ない。今の時期は人々は浮かれ騒ぎ、事件が多くなるので警察にとって非常に忙しい時期なのだ。
ましてや警視という位置にいる明智には休暇をとるなどという事は不可能に近かった。
明智自身、休みたいと思った事は今まで一度も無い。しかし、今年のクリスマスは今までとは違うのだ
「今年は君と過ごす初めてのクリスマスですから、2人でのんびりしたかったんです」

はじめと付き合いだして初めてのクリスマスを2人で祝いたかった。
そのために1ヶ月前から今まで、たまっていた仕事を全て片付ける為にほぼ毎日仕事に明け暮れた。
1ヶ月間殆どはじめと会うことも触れ合う事も出来なかったのは辛かったが、そのかいあって、クリスマスイブは休暇をとる事が出来たのだ。

「ありがとな、明智さん…」
嬉しそうに笑うはじめをみてこちらまで嬉しくなる。
「君があまりに可愛らしい顔をするので抱きしめてキスをしたくなってしまいました…そろそろマンションに帰りましょうか?」
テーブルに身を乗り出してはじめの耳元で囁くと、たちまちはじめの顔が真っ赤になった。「会計を済ませて来るので先に車で待っていて下さい」
未だに顔を真っ赤にしながらアワアワしているはじめに車のキーを渡し明智は席を立った。
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