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□sweet surprise
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居間に降りていくと明智は母親と話しに花を咲かせていた。

「はじめ君、支度は終わりましたか?それでは行きますか」

自分を見つけた明智がこちらに向かって声を掛けてきた。チラと明智の横に視線を向けると母親と目が合った

「はじめ!明智さんにご迷惑かけるんじゃないわよ!」

そう言って小さな旅行カバンを渡された
見覚えのあるカバン…
これは自分のカバンだ。
「え!?何で母さんは知ってんの!?」

しかもご丁寧に荷造りまでしてくれている。
すると、すかさず明智が説明をしてくれた

「お母様には私からお話しをして事前に了承して頂いてるんですよ」

(いつの間にそんな話ししてたんだよ!?)

明智の説明をウンウンと頷きながら聞いていた母親を見て思わず心の中でツッコミを入れる。

「さあ、そろそろ出発しましょう。車に乗って下さい」

明智に軽く背中を押され、外へと促される。
車に乗り込むと、母親が助手席の窓をコンコンと叩いてきた

「明智さん、うちのバカをよろしくお願いします。はじめ!!何度も言うけど明智さんにご迷惑かけるんじゃないわよ」

「何度も言わなくてもわーってるよ!しつこいって!!んじゃあな。」

何度も釘をさし続ける母親に見送られ、車は出発した。












「何で俺だけ内緒だったんだよ?」

車が走り出してからずっと黙っていたはじめがジトッと睨みながら明智を見上げる

「君には内緒にして驚かせたかったんですよ。怒りました?」

「いや、別に怒ってはいないけどさ〜。ビックリした」

せめて一言言ってほしかったぜ と言うと、少し間をあけて明智が話しだした。

「驚かせたかったというのは事実なのですが、本当は、この間の様に事件が入ってドタキャンになってしまったら君を悲しませると思って、直前まで言い出せなかったんです…」

「明智さん…」

先日、はじめは明智と久しぶりにデートの約束をしていた。2人で出掛けるのは久しぶりだったので、はじめはとても楽しみにしていたのだが、当日になって事件が発生してしまいドタキャンになってしまったのだ。

(あの事、気にしてくれたんだ)

会えなくなってガッカリしていたのは自分だけだと思っていたのに、明智も気にしてくれていた。仕事が忙しくても、ちゃんと自分の事を考えてくれている。
その事がとても嬉しい

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