Main
□君を呼ぶ聲/上
1ページ/5ページ
「赤也」
名前を呼ばれ、ゆっくりと振り向いた。
「副部長……」
「もう副部長ではない。只の受験生だ」
そうでしたね、と軽く相槌を打って天を仰ぐ。
空が紅い。
隣にきた真田が、
「お前の目の色のようだな」
と、フッと微笑んだ。
久しぶりに笑った顔は、酷く悲しくて。
それを見ると涙を零しそうで目線を外した。
そんな態度をとっても何も言わないのは、きっとこれが最期だから。
もう、逢えないから。
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ