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□君を呼ぶ聲/上
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「赤也」



名前を呼ばれ、ゆっくりと振り向いた。


「副部長……」


「もう副部長ではない。只の受験生だ」


そうでしたね、と軽く相槌を打って天を仰ぐ。

空が紅い。


隣にきた真田が、

「お前の目の色のようだな」

と、フッと微笑んだ。



久しぶりに笑った顔は、酷く悲しくて。


それを見ると涙を零しそうで目線を外した。




そんな態度をとっても何も言わないのは、きっとこれが最期だから。















もう、逢えないから。


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