復活連載

□6.意思疎通
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「ゔぉぉい、ザンザスーー!!」


バタバタと廊下を走りながら、主であり想い人である彼の執務室へと向かう。
背負っていたスクールバックもその途中で放り去り、一刻も早くとスクアーロは走った。

それもその筈、彼女はつい先程、重大な決断を下したのだ。
ずっと前から何度も何度も反芻した言葉を、今日こそザンザスに伝える決心をスクアーロはした。
その為寄り道やディーノ達と戯れる事などせず、彼女は屋敷へ真っ直ぐに帰って来た。


「今日こそ、絶対ぇ言うぞぉ…オレは、アンタが───」


執務室の扉が見える。
もうとっくに心の準備はできている為、スクアーロは走っている勢いを殺す事はせず、そのまま扉目掛けて足を踏み込んだ。


バァンッ!


「ゔぉぉい、ザンザス!! 話があるん───………」


スクアーロは派手な音を立てて扉を開け放った。


「───…だぁ」


スクアーロは、室内の状況を把握できずにその場に固まる。
すると執務室のソファにゆったりと座った一人の老人が彼女に話し掛けた。


「おお、君がスクアーロかい?」
「え゙? あ゙、と……」
「随分と可愛らしい子だね。さぁ、こっちにいらっしゃい」
「ほら、スクアーロ!」


何時の間に居たのだろうか、ルッスーリアはスクアーロの肩を後ろから掴み、執務室の中へと入れさせる。
そして老人の前へと来させると、ルッスーリアは彼女に老人を紹介した。


「この方はね、スクアーロ。ボンゴレ9代目のティモッテオ様よ。ご挨拶なさいな」
「初めまして、スクアーロ。会えて嬉しいよ」
「!!!」


老人──もとい9代目が、スクアーロに手を差し出す。
だが、彼女はその手を握り返す事はせずに、目を見開いて彼を凝視した。

ボンゴレ9代目──ザンザスの、父親。

初めての邂逅に頭が真っ白になり、スクアーロの企ては室内に拡散して消えていく。
ザンザスが此処に居なくて良かったと、そして何故今日に限って外出しているんだと、スクアーロは頭の片隅で彼に助けを求めた。






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