復活
□0.バレンタイン
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「ねぇ、スクアーロ」
「何だぁ、ルッスぅ?」
「貴女、バレンタインチョコを作ってみたくないかしら」
「チョコぉ?」
いきなりのルッスーリアからの問い掛けに、思わず素頓狂な声を上げる。
そういえば、今の月はもう2月。
そろそろバレンタインの時期だったか、と納得する。
「貴女、ザンザス様に女の子だって知られてから、一度もこういう事した事ないでしょう? だから私と一緒にお料理やってみない?」
「料理なんてオレ、一度もやった事ないぞぉ…」
「だーい丈夫よぉ! 私が教えてあげるから! ね、やってみない?」
「ゔ〜ん…」
頭を捻ってスクアーロは少しの間葛藤する。
ザンザスに、日頃の感謝と想いを伝えたいとは思うものの、それを上回る程の料理に対する不安が心中を交錯した。
果たして、自分に料理なんかが出来るのだろうか。
「…一回、試しにやってみる」
「まぁ、本当!?」
「それで無理なら諦めるし、もし仮に出来たら…ザ、ザンザスに……」
「分かったわv それじゃあ、明日からキッチンで特訓するわよ!」
「おぅ!」
ルッスーリアと力強く頷き合い、スクアーロは暫く剣豪との勝負を控え、寄り道をしない事を心に誓った。
スクアーロ、人生初の女の試みであった。