復活
□COLAZIONE2
2ページ/7ページ
「クッソぉ…」
ベルが出て行った扉を憎々しげに見つめながら、スクアーロは悔しそうにぽつりと漏らした。
「またベルに逃げられたぜぇ…」
「最近どうしたのかしらねぇ、ベルちゃんったら」
「これで一体何日目なんだろうね」
未だ食事を続ける他の幹部らの言葉に、彼女は銀の髪を指で掻き混ぜながら溜息を零す。
そしてベルの食べ残した朝食の残りを寂しそうに眺めた。
「“腹一杯なんだもん”…かぁ……」
「あまり気にしない方が良いわよ、スクアーロ。ベルちゃんだってたまにはそういう気分があるのよ」
最近、ベルが頻繁に行うようになった事。
それは食事を残す事であった。
朝食を始めとする、昼食や夕食に至ってもベルはなかなか完食しない。
本日の朝食も、ベルは半分以上食べ物を残して行ったのだ。
作る側としては、少し残念な出来事である。
ましてや“満腹だ”と言われてしまえば尚更だ。
健康面でも心配な上、何かあったのかと気にもなる。
スクアーロの心中は、日に日に重くなるばかりであった。
「昼メシは…パスタでいいかぁ……」
「ボク、カルボナーラがいいな、スクアーロ」
「おゔ、分かったぜぇ、マーモン」
ニコリと笑いながら、スクアーロは彼の口端に付いたパン屑を取ってやる。
何ともなしに作った料理を食べ進めるマーモンを見ていると、チクリと胸が痛んだ。
ベルの事を引き摺らないよう努めるスクアーロを、上座に座ったザンザスはじっと見つめていた。