復活
□ママンの涙
1ページ/6ページ
ビ─────……
「…おい、何か鳴ってるぞ」
「やっべ、ゔぉぉい、ルッス帰って来たぞぉ!」
「えーっ! もう!?」
「急いで急いで」
「こっちの飾り付け終わったぞ!」
「サンキュー、レヴィ! そんじゃあベルの飾り付け手伝ってくれぇ!」
慌ただしく幼い幹部達が走り回る談話室。
遠くで鳴り続けるブザーの様なものを聞きながら、ヴァリアーのボスは再び新聞紙に目を落とした。
その新聞の日付は、きちんと“4 aprile”と記されていた。
「何かしら…このブザー……」
任務から帰り、ヴァリアーの屋敷のドアを開けたルッスーリアを迎えたのは、けたたましいブザー音だった。
その場に立ち止まりながら辺りを見回すと、ドアノブに何やら取り付けられていた。
「…またベルちゃんのイタズラねぇ……あら?」
騒音を撒き散らすブザーのスイッチを切り、歩き出そうとしたルッスーリアが再び足を止める。
玄関の扉から廊下に掛けてを見据え、困惑と驚愕に暫く呆然とする。
思わず近くにあった一つを指で摘んで見てみた。
「……………靴下?」
(しかも片方だけ…?)