ポップン

□絡繰り屋敷の日常
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廃墟の町に一つある屋敷。
ソコには働き者の絡繰り人形と化けピアノが住んでいる。



「おい、霧去。」

目の前をちょろちょろ動き回る人形に、グラハンは声をかける。

「何でしょう、グラハン殿?」

霧去と呼ばれた人形は立ち止まり、グラハンの元へ駆け寄りキョトンと首を傾げた。

「この箱は何だ。」

そう言って目線を下にするグラハンに続いて霧去も下を見る。
視線の先にはグラハンが持っている小包。
霧去はまた首を傾げる。

「はて、見た事の無い箱ですね…。」

「先程玄関先を覗いたら置いてあった
 のだ、何だこれは。」

さっき外にあった箱の中身を、今まで屋敷の掃除をしていた私が知る訳無いじゃないか。
そう悪態付きたい霧去だったが、それを言うとグラハンが逆上する事は容易に想像出来たので敢えて口に出さなかった。
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