ひより

□そうして僕は笑った
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「ねえ、聞いてよブルース」

隣の席の彼女は今日もまた愛用のシャーペンに話し掛けている。
傍から見ればまさに頭がおかしい子だと思うが僕は彼女を見ていて飽きはしなかった。
それどころか、毎回繰り広げられるその会話に笑えるくらいだ。

「私ね、好きな人がいるんだ」
「その人、すごく優しくてすごくかっこよくて、みんなからすごく人気で」
「私なんか、叶いっこないんだよ」

今度の話はいつもみたいに夢じゃないリアルな話らしい。
彼女ははあ、と切な気にため息をつく。
彼女の好きな人はそうとうな大物だ。
ここまで落ち込む彼女を僕はみたことがない。

「ねえ、ブルース」
「私、告白してもいいかなあ?」

くるり、と僕に顔を向けた彼女に僕は少なからずの希望と安堵を胸にな、に?と笑った。


「好きです、妹子君」



そうして僕は笑った


(僕もずっと好きでしたよなんて言えば、)
(彼女は愛用のシャーペンを手から落としてしまった)
(さよならブルース、今日から彼女は僕のもの)



080201
シャーペンに名前をリアルにつけてます^^


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