物語置き場

□ただでは起きない団長様
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期末テスト…俺にとって憂鬱な期間がやってくる。



     ただでは起きない団長様



まったくおかしいことなのだが…

SOS団ではなぜか俺だけ成績が悪い。

とはいえ、俺はどう見てもキングオブ普通の一般人だ。

能力及ばないことだってある、そりゃ確かにな。

で、イカれた力を持つハルヒに長門は100歩譲って許そう。

しかし朝比奈さんはどうだろう。

古泉だって能力的には一般人と大差ない。

…何故俺だけ成績が悪いのか?

以前それを古泉に問うたところ

「それはおそらく、涼宮さんの中でそういうことになってるんじゃないでしょうか」

と曖昧な返答が返された。

仕方がないので長門に聞いてみると

「涼宮ハルヒの中であなたの存在は自分より何においても下でなければならない」

という見解がなされているということ、と付け足された。

相変わらず納得行かないことばかり考えている、あの女は。

続いて何故「という見解」なんだ、と俺は聞いてみた。

それが答えでいい気もするが。

「私は純粋にあなたの努力不足が原因と考えている」

残念なことにスーパー宇宙人様は俺の非を吐き出してくれた。

…勉強しないとな。


「SOS団勉強合宿を開催するわよ!」

次の日学校に行ったらハルヒの一言目はそれだった。

ちなみに、俺はまだ何も話していない。

「…なんでだ」

結構必要ではあるが、俺は一応便宜として聞いてみた。

「今度のテストで成績優秀者は学校新聞に名前が載るわ!」

ん、と俺は自分の顔が変に歪んだことに気付いた。

というか放っておいてもお前と長門の名前ならこの前体育祭でも見かけたよ。

「そこに出ればSOS団の名前は有名になるじゃない!」

そんなことしなくても悪い意味でいつでも有名だ。

なんとなく冷や汗が出てくる。

「1年のベスト4と2年1位をSOS団で埋めるわよ!これは面白くなるわ!」

俺にとっては無理難題を押し付けられただけだ。

むしろこんなこと言い出すなら俺は迷わずノーだった。

更に団長様はのたまってくださった。

「いーい?守れなかった団員には罰を与えるわ!」

明らかに嫌がらせとしか思えない。

この言葉には俺だけではなく、古泉と朝比奈さんの顔色も変わった。

ご満悦らしいハルヒに、俺はまたしても頭を抱えた。
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