ザックス達を追うことになって数日。クラウドとバッツは、神羅ビルの正面玄関に居た。
正式に社長として就任する為、これからジェノンへと出発するルーファウスと別れ、とある任務を遂行する為に。


「すまないが、ソルジャーの服は間に合わなかった。」
「構わないさ。」
「バッツはともかくとして、一応君達は極秘任務と言うことにしてある。

クラウドがルーファウスから受け取った服。黒のハイネックにファーの着いた白いジャケットを羽織り、首からは狼を模した銀色のネックレスを下げ、下は細身のジーンズに軍用のブーツ。一見したら軍の関係者には見えない。

「今の君はソルジャークラスセカンド。私の直属にした。」
「…何から何まですまない。」
「構わないさ。」

クラウドはもう一つルーファウスから受け取った物がある。それは、かつて自分が使っていた、組み立て式の大剣。それを背負い、久しぶりに触れたチョコボに大喜びのバッツの元へと急ぐ。

「お待たせ」
「良いって!さ、行こうぜ?」

チョコボに乗ったバッツがクラウドへと手を伸ばす。クラウドはそれに手を重ね、ふわりッと笑みを溢す。


草原を駆け抜ける風。二人を乗せたチョコボは、一路運命の地へと向かい駆けて行く。
瞳を閉じれば聞こえてくる『リュニオン』の呼びかけ。クラウドはその声を聞きながら、自分の進むべき道筋をバッツに伝える。

「ソルジャーの誇りを忘れるな…夢を、抱きしめろ…」

失いそうになる自分をつなぎとめるのは親友の言葉と、手をつないでくれる人の存在。

どうしても叶えたい夢があった
自分は欲張りだから、どちらかなんて選べなくて…


一つはザックスとエアリスが生きてくれる未来。自分のせいで、失ってしまった大切な人達。彼等が笑ってくれる未来が欲しかった。
二つ目は…

「もう、叶ってる」
「何が?」
「何でもない。」

草原を駆け、町や山を越え。チョコボと別れた頃、レノ達から経過報告が入った。

『ザックス達の行き先は、ニブルヘイムだぞ、と。』



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