「高杉、どっか行かね?」
「行かねぇ。」
「即答!?」
今日は12月25日。
俗に言うクリスマス。
「なんでわざわざんな混む日に外出なきゃなんねぇんだよ。」
「だってだってーみんなクリスマスは恋人とお出かけするって言ってたしー。」
「それこそ俺とお前の関係バレて、教師クビになんぞ。無職と付き合う趣味はねぇ。」
「ひ、ひどいっ。」
「それにみんなって誰だよ。」
「大串くんと沖田。」
「だけだろ。」
「ゴリラとお妙。」
ピタッと動きが止まる。
「マジでか。」
あのゴリラでさえ…。
これはちょっと負けたくねぇな。
「よし、どっか行…」
「あ、間違えた。ゴリラは振られて九兵衛と出掛けるって言ってたな。」
「…よし、どこも行かねぇ。」
「ちょ、ちょっと待って!さっき行こうって言いかけたよね!?」
「銀八、リモコン取って。」
「ねね、嘘だよ!ほんとはゴリラと出掛けるってよ!負けてらんないよね!?俺ら!!」
「銀八、リモコン取れ。」
「あれ、なんで命令形に変えた?」
「リモコン。」
「はい。」
手渡されたリモコン。
銀八はそのままベッドに行き、うつぶせになった。
…しゃーねぇな。
「銀八ぃ。」
ギシ…とベッドが軋む。
そのまま俺は銀八に跨り、無理矢理顔をこっちに向かせた。
「い、だだだだだ!高杉、首!首もげる!!向くから!そっち向くから!!」
「ぎゃぎゃーうっせぇな。童貞かお前。」
「高杉君ドS…」
ようやく仰向けになった銀八に、俺はキスをした。
「たかすぎ…?」
「たまには家で俺とゆっくりすんのも悪くねぇだろ…?」
艶妖に笑って、銀八の体に腰を押し付けてやる。
「そうだな。今日はゆっくりするか。」
そう言うなり、銀八は俺を組み敷いた。
そして、降ってくるキスに目を閉じた。
…外に出るのが面倒だからって言ったらどんな顔すっかな。
END.