緋桜恋愛遊戯A

□第四十七話
1ページ/3ページ

絶好の機会。逃してなるものか。
この町にいる。
傷を負った手配犯が…。
捕まえる事が容易となった今、必ず捕まえてやる。
これ以上、幕府の連中がやられない為に…。
この町の安全を守る為に―…


第四十六話



「奴がこの町に潜伏しているのは間違いない!!必ず見付け出せ!!」

夕刻。
土方の声が響きわたった。
二番隊が生きるか死ぬかの瀬戸際の中、会議室では隊士数名が集まり、話し合いが行われていた。
山場の時刻になった。だけど、医師からは何も伝わっていない。
大丈夫なのか、駄目だったのか…。
永倉の手柄のお陰で、高杉が容易に捕まりそうな予感がしてきた。
今まで、捕まえるどころか、目撃情報と言うだけで、実際に奴がこの町にいるのかさえも確認できなかった。
だけど、今回は違う。
たまたま夜の見回りに行った二番隊が高杉を見付けてきた。目撃してきた上に、かなりの深手を負わせた。
傷を負った体では遠くへはいけまい…。故に、まだ江戸にいる可能性が非常に高い。
弱った所を捕まえよう…と言うのだ。
それには、今が絶好の機会。

「副長!!」

「どうした山崎」

いきなりの足音と共に、襖を開ける音が響き、山崎が慌てて来た。
昨日より、心なしか明るい表情を見せている。
土方の問掛けに、山崎は嬉々として話始めた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ