緋桜恋愛遊戯A

□第四十五話
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相手がどんな凶悪犯でも、仲間を見捨てて行くなんて出来ない。
近藤だけじゃない。他の隊士達だってそうだ。
此処は、仲間思いの漢が集まっている組なのだ。

「あいつらの山場は十二時間後。それっから会議をしても遅くはないだろう…な?トシ…」

「あぁ…」

落ち着かせる為なのか、煙草をとりだし、口に運んだ。
紫煙が浮かび、やがて透明になり消えていく。

「高杉は怪我してんだろィ?なら大丈夫でさァ」

「それもそうだな」

本当は今すぐにでも高杉を見付だして、取っ捕まえてやりたい。
だけど、仲間が心配だ。
せめて、山場を越えるまでは見守っていてやりたい。
腹腸が煮え繰り返る気持ちがした。しかし、それは仲間への不安に消えていった。
今すぐ捕まえなくても、あいつも怪我人。今すぐには逃げられないだろう。
仲間が直ったら、夕刻になったら、全力で捕まえに行ってやる…。
何がなんでも、捕まえてやる―…





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