Magic Law
□‡真実の扉T‡〜災い〜
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「…た、確かにそうだけど…」
でも!と、続けるロージー。
「それだけだってボクがなんとかするよっ!だから今くらい休もう、ねっ!」
力強くそう言い放ち、事務所のドアのかけ札をCLOUSEに直そうと駆け寄る…………が。
「……失礼!!」
ばぁったあぁあぁんっっ!
まるで漫画のようなコミカルかつ痛々しい音をたてて、物凄い勢いで開くドア。
「ぐべらっ…」
思いがけない奇襲に、意味不明な言葉にならない悲鳴をあげて倒れこむロージー。飛び込んできた者は顔面強打で苦痛に喘いでいるロージーを尻目に、慌てふためきながら事務所内に叫ぶ。
「どうか、どうかっ……!飛鳥を助けてくれ!!頼む……!!」
と、そこまで言ってようやく状況を把握したらしい。自分のすぐ隣、ドアの角の形をしたたんこぶを抱えて苦しんでいるロージーに目線を向け…ることはなく、代わりに前方の小さなベットに横たわるムヒョに目を向ける。
「す、すまない。魔法律家の六氷 透氏はどこに…」
しずしずと切り出す。
「……。」
その問いにはあえて答えず、ムヒョはただ虚ろな瞳をドアのあたりに泳がせている。
「っ痛…。」
むくり、とようやくロージーが蘇った。
「…ヒッヒ、生きてたか」
僅かにニヤリ、と笑みをうかべて相変わらずの憎まれ口を呟くムヒョであった。
「あの、もしかして依頼…ですか?」
少しの期待を込めて尋ねるロージー。
「そうだ!!…あぁ、こうしている間にも飛鳥の命が……!!」
大分落ち着きを取り戻していたその人は、またわなわなと震えだす。
「と、とにかくお座りになって下さいっ」
少しでも落ち着かせようと、客人用ソファにその人を座らせ、紅茶を入れる。
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