02/17の日記

01:28
タイトルなし
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『好き』というこの気持ち…



あなたはわかってくれますか?











サクラは、朝早くからチョコレート作りに励んでいた。板チョコを刻んで湯せんで溶かし、その間に生クリームを作ったり…。

何故、こんなことをしているか……。
答えは簡単。今日は2月14日、つまりバレンタインだ。この日は年に一度だから、多くの女の子が本命に手作りチョコを渡して告白する。そして、うまくいけば晴れてカップルになる。
きっと、男の子としては嬉しい日だろう。女の子からの告白を受けたり、告白されなくても義理チョコがもらえるのだから…。




だが、この日を木の葉の里には一番嫌うという珍男子がいた……。


『サスケくん、このチョコ受け取って〓〓』

『サスケくん、私あなたのこと好きなんですっ。付き合って下さいっ〓〓』


「断る」


サクラがチョコを作っている間には、里の至る所で大勢の女の子に囲まれ告白を受けるひとりの少年がいた。それはサクラの想い人である、うちはサスケだ。



……が、この少年。ことごとく告白してくる女の子達をフッていた。他の男子としてはかなり嬉しい女の子からの告白もこの少年の前では無に帰している。全くモテない男子達としては文句の一つも言いたくなるだろうが、言ったところでサスケの睨みが来るだけなので何も言わない。



ちなみにこのサスケ少年は、甘味が苦手という現代人としてはかなり珍しい舌の持ち主だったために、チョコレートを渡すバレンタインの日の女の子達が悪魔のように見えていた。憐れである…。




だが、おかしなことに彼はサクラが時々班の全員に作ってくるお菓子は例え甘くても幸せそのものの顔で食べる。とは言っても、サクラはサスケが甘味が苦手であることを熟知しているので甘さ控えめに作ってくるためなのだが…。



そして、サスケは普段顔には出さないがサクラのことが大好きなのである。まわりもこの二人が両思いであることを理解していて、いつ二人がくっつくかとじれったく思っているのに当の本人達は、お互いに何を勘違いしているのか片思いだと思って疑わない。




一体いつになれば付き合うのやら、まわりは呆れ半分ワクワク半分で見ていて、中には孫を見るジジイのような気持ちで見守る輩までいるのだった。


そして、話を戻して現在のサスケの様子……。




『サスケくん、私(チョコレート)を食べちゃって下さいっ〓〓』


サスケの目の前にドンッと置かれたのはここまでどうやって持ってきたのか、その女の子そっくりに作られたセクシーポーズをとるヒールに水着姿の等身大チョコレート……。



「断る」



やはり、断りながら女の子達から逃げ回っていたのだった…。





さて、次はサクラの様子…。


「よし、完成っ〓」


時間はかかったがどうやら無事にチョコレートを完成させたようだ。ちゃんとサスケでも食べられるようにビターチョコレートにしてある、ハート型のミニサイズのアルミカップに入ったもので飾りとしてアラザンを数粒飾っている。サスケを考慮した結果とも言える小さめのチョコレートだ。

ちなみに、ナルト達に配る予定のチョコレートはストロベリーとミルクのミックスチョコレートにしてある。もちろん、アラザンなどのトッピングも人に合わせてある。例えば、いのやヒナタに渡すものは女の子らしく可愛い系で、ナルト達に渡すものはかっこよく…ひとつひとつ丁寧に作られた世界に一つだけのチョコレートだ。





そして、サクラはそれらを丁寧に袋に詰め口にリボンを結ぶと紙袋に入れて家を出た。


まず、始めはいのの家から順にまわることにした。いのはサクラからチョコを受け取るとお返しに、手作りのトリュフをくれた。ヒナタは、チョコムース。この二人のお菓子は家でゆっくり食べることにして、別の袋に入れた。


お次は男子陣で、ナルトやカカシ、サイ達に配っていく。それぞれでとても喜んでくれたが中でも一番すごかったのはチョウジだ。なぜならチョウジは貰った瞬間、一口で食べた。しかし、まだ足りないのかサクラにチョコをねだったが、「いのから貰えるじゃないの」の一言で納得した。


最後はサスケに配るだけだが、今サスケにあげにいくのは時間的にまずいと、サクラ自身はよくわかっているので時間潰しに最近流行りの甘味処に行くことにした。



しかし、サクラは甘味処に向かう途中で偶然サスケを見つけてしまった。


そして、現在のサスケの状況に……。


女の子の等身大のチョコが、サスケの前に置かれ女の子に口説かれているサスケの図…。しかし、その女の子はとても美人で里の中でも一、二を争うほどの子。しかし、それをサスケは断っていた。


その瞬間、サクラは感じ取った。

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