過去作品〜恋人は専属SP〜
□桂木大地〜聖なる夜に〜
2ページ/2ページ
時計の針がもうすぐ12時を刺す。
もう…寝よう…
起きていると期待してしまう。
大地が来るのを待ってしまう…
「別れようって言われたらどうしよう…心の準備しておかないとな…」
綺麗だった…私とは違って…
大人の大地に似合う大人の女性…
私には…大地さんは勿体…ないな…
そして私は夢の世界に引き込まれた。
目を覚ますと隣に大地さんが居る。
「大地っ!」
私は体を起こした。
大地は優しく私に笑い掛ける。
「お疲れ様!」
そう言って腕を伸ばした時。
「**別れてくれ…他に好きな人が出来た…」
大地が一言そう言った。
やっぱりね…そうだよね…
私みたいな子供となんて…
私は黙って頷いた。
大地は泣きじゃくる私の涙を拭う。
「**…」
「**…」
頬に触れる温かな温もり。
手に触れると柔らかな感触があった。
「**…」
「大地…?」
ふわっ…
次の瞬間、抱きしめられた事に気付く。
−−−夢?
どっちが…?
さっきのが…?
今が…?
「大地…?」
「遅くなってごめん」
大地が私の頭を撫でる。
私の頭は混乱していた。
「たい…ち…別れるって…」
大地が私を見る。
「…っ……俺の話しを聞いてくれっ…」
「………」
「昴の彼女がサプライズでネクタイをプレゼントしたいから一緒に選んでくれと…俺なら好みも知ってるだろうからと…
付き合わされて…
すまない…」
「昴さん…?え…だって大地…別れたいって…」
大地は私を見つめる。
そして、フッと優しく笑った。
「こんなに好きにさせておいて…離れられる訳ないだろ…」
そう言って私の顎を持ち上げ、優しくキスをした。
そして左手を取り、薬指に指輪を嵌める。
「俺からのプレゼント。一緒になろう。」
「……は…い…」
「良かった…断られたら凹むとこだった…」
そう言って照れる大地が可愛くて、私はもう一度キスをした。
聖夜に訪れた、素敵なサンタは私だけに甘い時間をくれた。
これから歩く二人の未来の約束と一緒に。
「大地…「**」Merry Christmas♪」