過去作品〜恋人は専属SP〜

□一柳昴〜君を逮捕する〜
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昴さんの仕事が早番だと言う事で、


久し振りのデートなんだけど、

嬉しくて、1時間も早く着いちゃった…


「何処かで時間潰してようかな♪」


キョロキョロと回りを見回すと、
少し小さめのコンビニを見つけた。


「あっ!あそこでお菓子買っておこう」


そしてコンビニのドアを開けた。


『いらっしゃいませ〜』


店には中年のおじさん店員が一人いた。


ペコン。と頭を下げ商品を選ぶ。


《ん〜何にしようかな♪》


色々買いたい物があり あれこれ手に取っては戻し…を繰り返していた。


「よしっ!」


幾つかの商品を持ちレジに並ぶ。


お会計を済ませて、
コンビニのドアを開けた瞬間。


−−ガシッ。


力強い腕に捕まれる。


その手の方向を見ると、

さっきの店員さんが私を捕まえていた。


「あの…」


『お会計、まだの商品あるよね?』


「いぇ…ないですけど…」


『いや、あるよね?』


「いえ、ホントにない…」


『じゃぁ、確かめるからこっちに来て。』


そう言って店員は入口のドアを閉め、


《只今休憩中》


をドアに立て掛けた。


店員は私を無理矢理引っ張り奥へと進んでいく。


たどり着いた先は、


《関係者以外立ち入り禁止》


の部屋。


「あのっ…何するんですか!」


私が強めに言うと、


店員は溜息を付き、
椅子に腰掛けた。


『脱いで。』


「はぃ?」


『だぁからっ!脱げって言ってるの。』


「何でですか?」


『脱がないと隅々まで調べられないでしょ』


「だからっ!私は盗ってませんっ!」


『じゃぁ、見せてみな』


「店員さんは私を壁側に押しやると、両手首を片手で持ち、
上にあげた


「素直に認めろよ。
手ぇ煩わしがらせて」


急に強い口調で私を舐めるように見る。


店員の手が、服の上から胸の膨らみを触り、


『おかしいな〜ここにあると思ったんだけど』


悪びれてない様子で私を見る。


「だから…私はとってない…」


そんな私の言葉を聞かず、
店員は服の中に手を入れ

ブラの上から膨らみに触れる。


「やめてっ…」


『だぁからっ、!
調べてるの!
大人しくしろよ』


そう言ってブラの中に手を入れた。


「やめてっ!警察呼ぶわよっ!


そう言って睨むと。


胸にあった手を太ももに移し。


『呼べるもんなら呼んでみろ
困るのはお前だろぉが』


そう言って私の太股をなでる。


『そんな短いスカート掃いて挑発するお前が悪いんだろ』


「いゃっ…辞めてっ!」


−−−ぼこっ。


私は店員の急所を蹴りあげた。


『うっ…くっ…』


店員の手が緩んだ隙に逃げ出した。


「助けて!誰かっ!」


そう叫びながら店から飛び出した。


−−−へなへな。


その場に座り込む。

足がすくんで動けない…


店の中から、再び店員がやって来て

私の腕を掴んだ その時。

『俺のツレに何か用?』


頭の上で声がして、

その声に振り向くと
昴さんが険しい顔で立っていた。


「昴さん!」


昴さんは私を立ち上がらせ、


『どう言う事か説明しろ』


と苛立った口調で言った。


私がいきさつを全部話す。

『なぁ、おっさん。ちょっと中入れよ』


その声は完全に怒りに満ちていた。


再び店の中に入った私を昴さんが抱き抱え、

店員さんを見て、


『あんたさ。これが立派な罪って分かってやったんだよな?』


「罪?」


昴さんの言葉に店員は、ガクガクと体を震わせる。

昴さんは胸のポケットから警察手帳を取り出し、
店員に見せ、


『恐喝罪、暴行罪…
懲役何年かねぇ…
それに、お前、狙った相手が悪かったな。

こいつは総理の…』


「昴さん!もういいよ…
きっとこの人にも家族がいるから…

だからもういい…」


『ん?いや、俺としては見逃す訳にいかねぇ立派な罪なんだけど』


「いいのっ!示談で済ましましょう」


私の真剣な顔を見た昴さんは、


『命拾いしたな。
でも…
次はねぇぞ』


そう言って私を抱えて店を後にした。


−−−すたすたすたっ。


昴さんは私の腕を掴み早足で歩く。


《怒ってるよ〜
さっきから全然喋ってくれない(T^T)》


機嫌を取っても、シャレを言っても、怒ったまま。

車に乗って運転してても 。


「昴さん…何処行くの?」


『…………』


うっ…怒ってる…


ただ黙々と車を走らせ、
着いた所はラブホテルだった。
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