藤井秀一郎総受小説

□ジキルな君も、ハイドな君も、
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 「薬漬けだけど今は凄く調子良いよ!」
 ガッツポーズを見せるとシュウも安心したように笑ってくれました。
 シュウと一緒に居ると、ドキドキして緊張して、でも凄く幸せになります。
 お店を出てシュウと並んで改めてシュウの身長が伸びてないのに気付きました僕の肩のところに頭があって薄いTシャツの首元から服の中が覗けそうです。
 (シュウ、痩せたなぁ。) 「相変わらず好き嫌い多いでしょ?」
 ジッと見てたの気付いたかな。
 シュウは首元をグイと上げて
 「これからデッカクなるんだよ!」
 って膨れっ面。
 シュウはちっちゃいから可愛いのに…。
 ちょこちょこと小さな足で早足で歩くところとか堪りません。でもちょっと怒らしちゃったかな。
 「ごめーん。シュウ!」
 むかしから、ちっちゃいとか可愛いとか言われるのを嫌がってたシュウ。何とか話題を変えて誤魔化さなきゃ折角のデートが台無しです。
 「シュウ達の中学見てみたい!案内してよー!」
 僕の2メートル先位を歩いていたシュウがやっと足を止めて振り返ってくれたんだけど、顔は今までに無い位凄く嫌そうな顔をしています。
 「だって、僕だけ皆と違う中学だし。今日だけシュウと同じ学校の気分味わいたいもん。…ダメかな?」 どうしてシュウがこんな嫌な顔して見せたのか判りません。休みの日に何でわざわざ学校に行かなきゃいけないのかって思ったのかも。でも、何度も手を合わせて見せるとようやくシュウも
 「判った。行こう。」
 と言ってくれました。
 実のところ、僕は皆が通う学校なんてどうでも良かったんです。シュウと二人きりになる口実が欲しかったから。皆に逢いたいなんて迂濶に言っちゃったら絶対二人きりになんてなれないし皆が居たらシュウに…色々出来ないから…。
 いっ色々って言っても別に押さえつけてどうのって事じゃないんです!島に居る時、もう寿命が長くないと思ってた僕は焦ってたんです。そんな時、シュウが自分にノブの生きた証を残してくれって言ってくれて…僕はシュウと秘密の関係になりました。でも、僕はまだ子供でちゃんと最後迄出来なかったんです。でも今は違う…。僕の体も大人になってシュウを想うと眠れない夜が続くんです。
 あの時のシュウの小さな体が忘れられないんです。
 学校の運動場では運動部が練習をしているようでした。
 「非常階段から屋上に行けるよ。」
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