藤井秀一郎総受小説
□何も変わらぬ空の下
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「お願いだから…居なくならないで…。」
優しいシュウの指先についつい甘えてしまう。
シュウは笑いを含んだ溜息をついて
「事故ったって戻るよ。」 と言ってくれた。
僕は、シュウが居ないと駄目なんだ…。シュウがちょっと出掛けただけでこんなにも不安になって、怖くなって寂しくなる…。
一度は引き剥がされた体だったがもう一度シュウを抱き締めると、シュウの唇に唇を重ねた。
全てを吸い尽くすようなキスに、驚いたようにシュウの体がよろけながら後退った。
そのまま、後ろの壁に押し付けるようにキスを続ける。
シュウの小刻みな呼吸と時折洩れる淡い声、二人の間で紡がれる卑猥な音も、僕の五感を刺激して、僕は耐えられない気持ちになる。
「俺がここに居る実感はもう湧いた?」
シュウの体を確かめるように、体のラインに添って指を這わせていた僕を制止するようシュウが囁いた。