藤井秀一郎総受小説

□雨、ときどきデート
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 曇天の下、ダラダラと降り続く雨の中に同じ制服が飛び出して行く。
 色とりどりの傘が、玄関の混雑を物語る。
 俺は、人混みが緩和されるのを教室の窓から暫く眺めて待っていた。
 教室には数人の生徒。俺と同じ事を考えているように、独り言のように「まだ混んでるね…。」を繰り返している。

 嫌がらせのように降りしきる雨を、唯、ボンヤリと眺める俺に戸惑いながら、クラスメートの女子が話し掛けてくる。
 「藤井くん…雨…止む迄どっかで雨宿りしない?」 チラリと眼をやると、忙しなく眼球を動かすクラスメートが眼に入った。
 「雨宿りなら今してるから…。」
 わざわざ「どっか」に行く必要ないんじゃない?と続けようとしたが、クラスメート達の空気が瞬時重たいものへと変化した為口籠もった。
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