藤井秀一郎総受小説
□その答えはNGですか?
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ハッキリ言って俺は「空気読めない人」だ。
例えば、クラスの女の子が香水を着けてきた、他の人は「彼氏が出来たか好きな人がいる」と読むらしいだが俺は「臭い」で済ます。 クラスメートの誰かが成績が落ちたと嘆けば「努力すれば良い」と答え、自分は「モテる」といえば「一般の評価が判らない。」と返す。
そしていつの間にかクラスメートからはクッキーシュー(くーき「読めない」シュウ)を文字り、そう呼ばれるようになっていた。
そのあだ名すら、どこで笑えば良いか判らず周りが面白い!と笑っているのにつられてにっこりと微笑んで見せた。
(多分、もうこの反応が違うんだろう。)
周りの刺々しい空気への接し方を反省しつつどうすれば良いか判らず唯、頭を掻くばかりだ。
クラスメートとはうまく行こうとは思わない。それより自分の知らぬ所で誰かを傷つけてしまわない為の対策があれば知りたいとは思う。
「俺の髪を見て、金髪にしてみたくなったから金髪にしてみたって言う奴に、俺とお揃いにしたかったの?って尋ねたのはNG?」
夕飯時、皆が集まったのを見計らい悩みを切り出す 「てか…シュウの学校、金髪OKなの?」
最もなノブの一言。
「ダメ。」
そう言うとノブは
「じゃあ、無駄な染毛じゃない?」
と返してきた。
ノブの言いたい事と俺の言いたい事に若干のズレを感じつつそのまま黙ってサラダの胡瓜をかじっていると、察したように心が「その人…。」と口にした。
「シュウを見て、金髪良いなって思ったんでしょ?そこがまず違うよね?だってシュウのは地毛だし、綺麗なのはシュウだからで、その人が綺麗になるかどうか判んないもんね。」
(…別に綺麗とは言われてないが?)
「お前は『俺みたいになれる訳ない。』とか言ういつもの高慢なアレが言いたいんか?」
力也の一言に苛つきを覚える。