NP小説
□いつでも包んであげる。
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しばらく時間が経った。
レナの肩は細くて頼りないのに、とても安心感があった。
それは俺がレナのことを信用できる大事なひとだからなんだと思った。
「ありがとう、ねえちゃん。」
ふっと身を離す。
「もう大丈夫?なんなら一緒に寝ようか?」
「……ねえちゃん、俺、一応男なんだけど。もう少し気をつければ?」
ましてや俺はレナが好きなんだから。
「!!」
さっきまでの落ち着きはどこへやら。
レナは顔を真っ赤にしてあせあせしている。
「…ありがとう、レナ。」
震えは収まっていた。
「フレディ…もう、一人で悲しんだりしちゃだめよ。私がいるんだから!絶対絶対!すぐ私のところにきて!!いい?」
こういうところだけはねえちゃんなんだなあと思える。
「うん、じゃあ最後にひとつワガママいっていい?」
「なに?」
「お休みのキスして?」
にっこりと笑って言うと、
レナは下を向き、ふるふる震えていた。
あ、怒った?
と思った瞬間。
頬に柔らかいものが当たる。
「…っおやすみ!!」
そう言ってレナは自室のドアをばたんと閉めた。
「参ったな、こりゃ。余計眠れなくなっちゃったじゃん。」
さっきまでの息苦しい脈は心地良い鼓動へと変わっていった。
「ねえちゃんはほんと殺人的だなあ〜…。」
そう言って俺はその場を後にした。
end