NP小説

□僕だけの、君。
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「いやっ!フレディやめてっ…痛いよ…。」

「なんで?いけないことをしたのはレナだよ?悪いことをしたら罰を受けるのは当然の報いでしょ?」

どうして、どうしてこんなことに―――――



レナたちが村に来てから二年が経った。

多少窮屈な生活ではあるもののレナはアーウィンとフレディと毎日過ごせて幸せだった。

アーウィンはいつものように食事を作ってくれるしフレディは仕事が終わったら毎日会いに来てくれた。

そして仕事の話や外の世界の話を沢山してくれた。

途中で疲れて眠ってしまうこともあるくらい沢山話をした。

私は、

俺は、

本当に幸せだった。



そんな時、俺の心にはたまにひっかかるものがあることに気付いた。

すぐにそれはレナへの恋心だと知り、俺はレナにどう接していいかわからず変な態度を取ってしまっていた。

もどかしくて、痛くて。

こんな気持ちは初めてで。

どうすればこの胸のつかえは取れるのか。

ずっと悩み続けた。

そして、あの事件が起こった。

「あれ、兄ちゃん、レナは?」

椅子に座りながら本を読むアーウィンは目線を変えずに言った。

「ああ、レナならあなたの同僚と地下の書庫に行きましたよ。調べものを手伝ってほしいとかで。」

「わかった!ありがとー!」

その日俺はレナに気持ちを伝える気でいた。

ありのままの気持ちを。

レナを好きだということを。

なのに…


書庫に着くと、何やら本が散乱していた。

まさかと思ったが。

「レナ…?レナ!!!!」

床下を見ると少量の血液がポタポタと落ちている。

「まさか…。」

フレディは急いで奥の部屋へ向かう。

突き当たりの部屋にはふたつの人影がある。

一人はレナ、もう一人は…。

「お、フレディ。登場が少し遅れたんじゃないのか?」

「お、お前…ジョルジュ…?」

ジョルジュはフレディの同僚で二歳年上の祓い手だった。
腕はなかなかのもので将来の期待も大きいエリートだ。

なのにその彼がなぜ…

「レナに…何をした?」

ジョルジュはうすら笑うと言った。

「そんなにこの央魔が大事なんだね、フレディは…。」

「ふざけるな…。お前、自分が何をしたか分かっているのか…?」

フレディの拳が震え出す。
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