NP小説
□障害物
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俺とねえちゃんにとっての問題は、
ねえちゃんが年をとらないことより、
ねえちゃんが血を欲するようになったことより、
ねえちゃんが央魔であるよりも、
この男の存在だろうと思う――――
「なんですか、妙な表情で私の方を見るんじゃない。」
……レナの家の家政夫兼家庭教師…アーウィン。
「…ごめん、つい…なんとかならないかと思ったら…。」
「何がです?わけのわからないことを。フレッドの子孫なのですからイメージが損なわれるような言動は謹んで頂きたいものですね…。」
兄ちゃんは初代様と友達だったらしく俺に対する目がやたらと厳しい。
しかも俺がレナを好きなのを知っているから尚更厳しい。
なかなかレナにとりつくしまがないのだ。
二人きりになろうものなら風のように現れては邪魔をしてさっていくし、二人でどこか出歩こうにもなかなか許可を出さない…。
これじゃあ俺はレナと落ち着いて話もできやしない。
年頃の恋する少年には重大な問題なのだ。
なんとか、なんとかしないと…。
フレディはキッとアーウィンに向き直る。