NP小説

□いつでも包んであげる。
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夜中、目が覚めた。

夢見が悪くてうなされていた。

汗がびっしょりで息も荒い。

たまにあることだ。

今まで沢山の命を奪った。

それが負い目となって表れているんだろう。

さすがにもうみんな寝ているだろうから気づかれないよう、そっと部屋を出る。

キッチンで水を一杯一気に飲み干す。

「ぷはあっ」

途中でむせそうになりながらも渇きを満たす。

「ちょっと風に当たろうかな。」

そう言って俺はベランダに向かう。

途中レナの部屋を通った。

もしかしたら起きているかもしれない。

レナは夜行性だから。

レナに会いたい気持ちが込み上げるがこんな状態でレナに会うのは少し怖い気もした。

なぜか拒絶されるんじゃないかという不安が走った。

なんでかは分からないけど。

「フレディ…?」

レナ。

「ねえちゃん、起きてたんだ。」

「うん…なんだか…心配になって。フレディが、泣いているような気がしたの。」

え。

レナと俺の部屋は離れている。

例え俺がうなされて何か言っても聞こえる距離ではない。

「…マジ?以心伝心ってやつ?」

参ったな。

「何か、あったの?」

れながちょこちょこと俺に近づく。

そして俺を見上げて、真っ直ぐ目を見た。

俺もレナの目を見た。

次の瞬間、レナが俺の顔に手を伸ばし、ほぼに当てる。

「怖かった…ね?」

レナにそう言われ、胸から何か鉛のようなものが落ちていく気がした。

「大丈夫。フレディは悪くない…。」

レナは全部を理解しているようだった。その声がとても心地よくて。

レナの肩に顔を落とした。

「ごめん…しばらくこうしててもいい?」

レナはこくんと頷くと俺をきゅっと抱きしめた。
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