ゾルママ原作前
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ヒソカがゾルディック家にやってきて早2ヶ月。
怪我も完治したヒソカは専らイルミの修行相手となっていた。
「っ!」
「はい、ボクの勝ち」
蹴り飛ばされ、尻餅をつくイルミと、平然と衣服についた埃をはらうヒソカ。
今日は組み手。
いくら幼いときから修行していたとはいえ実践が足りないイルミは、ヒソカに負けることがしょっちゅうで。
「……………悔しい」
ヒソカを見ながらむすーっと呟くのである。
「次は勝つ」
「負けないよ」
ヒソカが座ったままのイルミに手をかしていると、ミルキを連れたキキョウが現れた。
「イルミ、ヒソカ、お茶にしようか」
「はい」「うん」
ここ数日の日課である。
「そういえば、ヒソカ」
「何?キキョウさん」
「これは何?」
そうやって近くの木々を指差す。
ヒソカは素直に見て、訳がわからないと困惑した様子で答えた。
「?木だよね?」
「、、そうね」
知らないのか、、、、と心内で呟いたキキョウは、そろそろ教えても良いかもしれない、と心配そうにする子どもたちになんでもないと言ってにこやかにお茶をしつつ考えをめぐらせた。
木々を指した指先には、念で「見える?」とあった。
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