春     坂本遼

 おかんはたった一人 峠のてっぺんで鍬にもたれ
 大きな空に 小ちゃなからだを びょっくり浮かして
 空いっぱいになく雲雀の声を じっと聞いているやろで

 里の方で牛がないたら じっとひびきに耳をかたむけているやろで
 大きい 美しい 春がまわってくるたんびに
 おかんの年がよるのが 目に見えるようで かなしい
 
 おかんがみたい

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