06/03の日記

18:34
光は波か?粒子か?@
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光の科学的な研究は17世紀のニュートンの時代から始まったと言われています。
ニュートンは太陽光をプリズムに通すと七色の光に分かれる事を発見し、光とはさまざまな色を持つ小さな粒が集まった物だと考えました。
他にも物体に光を当てると背後にくっきりとした影が出来ることも、光を粒子だと考えると説明出来ます。もし光が波だとすれば、波は障害物の後ろに回り込んで進んでいく回折という性質を持つため、影の輪郭はぼやけてしまうはずだからです。

その一方ニュートンとほぼ同時代の物理学者ホイヘンスは、光を波だと考えました。
彼は二つの細い光線をぶつけても、お互いが通り抜けように進んでいくのは、光が波である証拠だと考えたようです。
こうして光は波なのか粒なのかという論争が17世紀以降続いていきますが、当時は万有引力の法則で成功を収めていたニュートンの粒子説が有力でした。

しかし19世紀初めに、イギリスの物理学者ヤングが光には波に特有の干渉という現象が現れる事を発見し波動説が一気に形勢を逆転しました。
波の干渉とは、二つ以上の波の山と山、または谷と谷が重なると、波の振幅が重なり合って山の高さや谷の深さが増し、逆に山と谷が重なると、波の振幅がお互いに打ち消し合って、波が消えてしまう現象です。

ヤングが行った実験は「ヤングの干渉実験」とか「ダブルスリットの実験」と呼ばれています。
具体的には、光源とスクリーンの間に二本のスリットを入れた板を置き、スクリーンに光がどのように投射されるかを観察するものです。この実験ではそれぞれのスリットを通った二つの光は回折(広がっていく)し重なり、強め合ったり、弱め合ったりしてスクリーンには明るい部分と暗い部分が交互に並んだ干渉縞が出来ます。
光の正体が粒なら、スリットを通った光はそのまま直進してスクリーンには、二本の光の帯が出来るはずです。

そして1864年、電気と磁気を統一し、電磁気学としてまとめ上げたイギリスの物理学者マクスウェルは、電場と磁場が振動しながら空間を伝わっていくことを予言しました。これが電磁波です。この電磁波が空間を伝わる速度を計算すると、それまでに知られていた光の速度と一致することから、光は電磁波の一種だと発表しました。
その後の実験で電磁波の存在は証明され、電磁波の一種である光はまぎれもなく波であることが確認されました。

こうして、光は波である事が証明され、一件落着したかに思われました。

      Aへ続く…

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