09/02の日記

23:36
光は波か?粒子か?A
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19世紀後半、ヨーロッパでは鉄を作る製鉄業が盛んになり、良質な鉄を作るには溶鉱炉内の鉄の温度を正確に知る必要がありました。当時は溶けた鉄の色を見て職人が経験と勘で判断していましたが、これではあまりに大雑把なので、熱した物質の温度と光の色の関係をもっと正確に知る必要があり、物理学者がこの問題に取り組みました。
光の色の違いは、光の波長の違いであり、光は複数の波長の光が重なっています。この光の中にどんな波長の光が含まれていて、どの波長がどんな強さになっているかを調べてグラフにしたものをスペクトル分布と言います。物理学者たちはこのグラフを数式で表してスペクトルと温度の関係に法則を見出だそうとしました。しかしなかなかうまくいきませんでした。
「光は波である」という考えが定着していたがために当時の物理学では説明できず、世界中の科学者を悩ませていたのです。
そんな中で1900年、ドイツの物理学者マックス・プランクがスペクトルの曲線を数式化することに成功しました。それは理論的にというより偶然発見したものでした。
プランクはなぜこういった数式になるのか考えた結果、光のエネルギーには最少単位があるということに気付きました。つまり光のエネルギーは1個、2個…と数える事が出来る、粒子のようなものだと言うことです。
当時の物理学は自然現象中のある量が不連続な変化をする、つまりとびとびの値を取ることはありえないとされていました。物理学は完全であり連続的であるという考えがあったからです。実際それまでの物理学で自然現象をうまく説明できていました。
そんな中でエネルギーがとびとびの値をとるという考えは革命的でした。これを発見したプランクでさえも自分の仮説に納得できず、これまでの物理学とこの新しい物理学を統合することに力を注ぎました。

そしてその5年後の1905年 物理学の歴史上「奇跡の年」と呼ばれています。
ここから物理学は新たな分野へと進んで行きます…


      Bへ続く…

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