短編

□銀髪のお友達
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―3月29日月曜日 午前10時43分51秒―


一昨日は地理がありやがったからサボった。初めてだったけど私の驚異の運動能力と反射神経で楽々門を飛び越える事ができた。ちなみに反射神経は我が風紀委員長、雲雀恭弥にトンファーを振り回された時に使用した。

昨日は数学があったからサボった。今回はミカン委員長がいない時間を見計らい堂々と門を出ようとしたが副委員長に見つかり又もやトンファーを振り回された。何故か君になら本気で殺れそうだよ、なんて言われて本気で殺されそうになった。自分の反射神経を褒め称えここに称したい。トンファーを掠めた頬が何気に痛い。私の顔に傷つけるとは何事だ。・・・・そんなにいい顔してないけど。

今日は・・・・・・・なんか面倒だったからサボった。糖分摂取をしたくなったのでコンビニに行こうと思ったけどまたまたミカンに会って殺されそうになった。なんなんだ。あいつ。もしかして私の事ストーカーしてる?マジでか。趣味悪。あ・・・・・言ってて悲しくなった。泣きたい。


「と云う事。」

「サボったことしか言ってねぇじゃねえかあ!」

「近所迷惑考えたまえ。スペルビ。」


そして今、私はなんとか・・・・余裕であの憎たらしいミカンから逃れ公園のベンチに座っている。え?こんなところでサボってたら未来の英雄達に悪影響ではないか?いいや。大丈夫でやんす。この公園は昔女が首吊り自殺したやらしないやらで誰も近寄らないでやんすから。
私と親しげ?いや、そうでもないか。まあいいや。親しげに話すのはスペルビ、なんだったけ。忘れた。とにかくスペルビ。つい最近この公園で会った外国人。髪の毛長くってサランサランな超美形。なんて褒めすぎかもしれないけど実際あっている。悔しい。こいつはサボる度に私の話を聞いてくれるいい奴なのだ。これ、外国人特有のレディーファーストってやつ?あ、何か嬉しい。


「たくっ、お前はダチいねぇからこんなサボってんのかあ?」

「おいおい、野暮な事聞くね、スペルビよ。」

「図星かあ・・・・・。」

「ん。悲しい事に。」


そうだよ。いないよ〜友達なんて。山本武がしょっちゅう話しかけてくるけどそれはあれ、何時も1人な私を哀れんででしょ。
第一友達ってなに?私には理想があるんだよ。


「いらねえのか?ダチ。」

「私には理想があるんだよ。」

「はっ、んな事いってんからできねえんだろぉがあ。」

「そーなんすよー。」


はあ、溜息を吐く。悲しいねえ、私。いやはや無様だ。
サボってるのも暇だからなんだよね。なんか皆きゃっきゃきゃっきゃ騒いでるのみたらミカンじゃないけど殺したくなってくるよ。咬み殺すよ、てか。あれ、笑えないぞ。


「まあ、 んな性格だからなあ。」

「おい、私に謝れ。悲しくなったぞ。今なら軽く泣けるぞ。」

「理想なんかすてちまえぇ!」

「無視か、無視かコルァ。私にとって理想は大切なんすよ。」

「たぁくっ。」

呆れたように頭をかき混ぜるように撫でる。撫でるのはいいけど髪がぁぁぁぁぁ。

「おら、言ってみろぉお。理想。」

「んー。簡単に言うとスペルビみたいな奴かな。」

「ぐはっ!ごほっげほっがはっ!!」

「お〜い大丈夫っすか〜あ、死んだ?おいおいおいおい、目ぇ醒ませ〜。」

「なに死んだ事にしてんだあぁあ!!!」

全く、咽ちゃって。なに?そんなに以外だった?私があんな事言うの?そうなの?そうなのかこの野郎!


「スペルビは、私みたいな子が友達なろ言うたら断るかい?」


私の問いにスペルビは驚いていたがすぐにあーうーやらと唸り出した。落ち着け。


「べ、別にいい・・・・ぜぇ・・・。」

「ふぅ〜ん。ならなって。友達。」

「あぁあ・・・・・あぁああぁあぁぁぁあぁ!!!?」

「近所迷惑。本当学習能力ないな。」


いまだ顔を真っ赤にして口をぱくぱくしてるスペルビ。可愛いところもあるじゃないか。
で、答えは?と急かすと今度はしっかりとああ、と言ってくれた。








友達、本当はね
(恋人がいい)(なんて我が儘言えないけど)

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