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□君といる時間〜逢瀬〜
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腫らした目でクラウドを見つめる。
「…も、って…どういう事…?」
「…いや…」
視線を逸らすクラウドに、ユフィは違和感を感じた。
もう夏だというのに、左腕だけ隠しているクラウド。
ユフィは左腕を覆っている服の一部を捲る。
そして、目に映ったのは…
「っ、クラウド…これ…」
星痕症候群。
二の腕に広がるそれは、あまりにも痛々しくて。
ユフィはキッとクラウドに睨んだ。
「何で…言ってくれなかったんだよ…あたし、頼りない?あんなに傍にいたのに、相談すらしてくれないの!?あたし…あたし…!」
ずっと、待ってたのに…!
また、涙が溢れた。
「…嫌いに、なった…?」
あたしの事。
「違う!」
「っ…」
右手で、力強く抱き締められる。
クラウドはさらに力を入れ、ユフィの髪にキスを落とした。
「心配を…掛けたくなかった。…情けない姿を見せたくなかったんだ。いつ死ぬか分からないこんな体で、お前の傍にはいられないと思った」
「じゃ…嫌いに、なって…ない?」
「当然だ」
「っ…!」
がばっと勢い良くクラウドに抱き着いた。
優しく抱き留めてくれるクラウド。
このまま、時が止まってほしかった…。
「おねーちゃん、仲直り?」
「あ…」
リクの言葉に、慌ててクラウドから離れた。
そして、同時に顔が真っ赤になる。
「ね、仲直り?」
「うん、ありがとな、リク」
へへ、と嬉しそうに笑うリク。
クラウドはユフィに向かって問い掛けた。
「ユフィ、この子は…」
「あ、えっとね…」
昨日から今までのいきさつをクラウドに説明する。
それを聞いたクラウドはリクの頭を大きな手で撫でた。
「そういう事なら…よろしく、リク」
「おにーちゃん?」
「クラウドでいい」
「うん、クラウド!おねーちゃんは渡さないからね!」
「「は…?」」
思わずクラウドとユフィは顔を見合わせた。
そして、同時に笑い合った。
久しぶりに、笑った気がする。
作った笑顔なんかじゃなく、心からの…。
「な、なんだよー!」
問題はまだまだ沢山あるけど…。
もう、絶対に離れないから。
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