□A New DayN
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「分かってないならここで今すぐ抱くけど?」

「やっ…わ、分かったから…!」

するり、と太股を撫でるクラウドの手を止め、ふぅ、と一度息を吐く。

「で、も…」

「どうした?」

俯き、クラウドの手をきゅっと握る。

「キス、してほしい…」

「それだけでいいのか?」

「当たり前…っ、ん…」

すぐに唇を塞がれ、ユフィはぎゅっと目を閉じた。

いつもの、優しい口付け。

ユフィにとって、一番好きな時間だった…。





5時限目は、体育館でバレーの授業。

だが、バレーをしている最中も、ユフィの頭の中はクラウドの誕生日の事で一杯だった。

(あー、もう…どーしよ…)

はぁ、と溜め息をついて俯いた瞬間。

「ユフィ!危ない!」

「へ?……!!」

ティファの声が聞こえ顔を上げた時には既に遅く。

「ユフィ!!」

沢山の女生徒の呼ぶ声が聞こえたが、ユフィはもう気を失っていた。








「ん…」

そっと目を開ければ、真っ白の天井。

(あれ…あたし…)

痛む頭を抑えながらゆっくりと体を起こし、周りをきょろきょろと見渡す。

(保健室…?あ、そうか…)

余計な事を考えていたせいでボールが頭に直撃し、気を失ったのだと思い出した。

「ユフィ、気付いた?」

シャ、と仕切りのカーテンを開け、入ってきたのは親友のティファ。

「いつものユフィなら簡単に避けれてたはずなのに。…まだ考えてるの?誕生日の事…」

「…………」

こくり、と静かに頷く。

ティファは自販機で買ったであろうジュースをユフィに手渡すと、保健室を出ようと背を向けた。

「ティファ?」

「重症みたいだから、連れてきちゃった」

「へ?」

ガラガラ…と開けて中へ入ってきたのは…クラウド。

「ク、クラウド!?」

…じゃなくて、先生…。

そう、小さな声で言うとティファはくすりと笑う。

「ここはユフィ達しかいないし、保健の先生も出張で皆はまだ授業中だから気にしなくていいよ。じゃ、私は戻るね」

バイバイ、と手を振りながらティファは扉を閉め、体育館へと戻っていった。
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