□君といる時間〜耐久〜
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「でも…っ…!」

あたしがクラウドに向けて顔を上げた瞬間、唇を塞がれた。

「っ…ふ…ぁ…」

昨日と同じ、あの深い口付け。
また頭がおかしくなる…。
クラウドの服を強く握り、目を閉じる。
舌があたしの中で暴れる。昨日のように歯列をなぞられ、何度も口付けの角度が変わった。

…ボーっとしてきた…。

何も考えられなかった。
そして、あたしは無意識にクラウドを求める。
クラウドはそれにしっかりと応えてくれた…。

ちゅ、という音と同時に離れた唇は少し寂しかった。
あたしは力無くクラウドの胸へ体を預けた。

「…俺の望みは…ユフィが笑っていてくれる事だけだ」

「……え…」

「だから、お前は余計な事は考えなくていいんだ。俺の隣で笑っていてくれればそれでいい」

「クラウド…」

夢みたいだった。
クラウドからこんな言葉が聞けるなんて思ってなかったから。

「それに…お前のせいでもある」

「何が?」

「今日のお前、いつもと違うだろ…」

「は?」

何の事かと思い、クラウドを凝視した。
10秒ほど考えても分からなかった。

「今日のお前、誘ってるようにしか見えないぞ」

誘ってる?
……!!

「こ、これはティファが勝手にやったやつだろ!?別にあたしのせいじゃない!」

あたしは顔を真っ赤にしてクラウドを睨み付ける。
するとクラウドの表情が柔らかくなった。
いつものクラウドだ…。

「はいはい、そういう事にしておく」

「人の話を聞けー!」



覚悟、か…。
クラウドに抱かれるのは嫌じゃない。寧ろ…嬉しいと思う。あたしを求めてくれてるって分かるから…。

でもさ、やっぱり初めての経験だし…心の準備ってやつもある。

だからクラウド…。
もう少しだけ、待ってて。
あたし、クラウドの為だったら頑張れるから。





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