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□A New DayB
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「って事なんだ、ティファ、ごめん!」
昼休憩が終わり教室に戻ったユフィ。
これからクラウドと昼食を取る事になった事を伝え、いつものように椅子に座り後ろを向いてティファの前で手を合わせて謝る。
「…………」
何も言わないティファ。
怒ったか…と思い恐る恐る顔を上げてティファを見ると…。
笑っていた。
しかも何故か、満面の笑みで。
「ティファ…?」
「そっかぁそっかぁ、良かったね、ユフィ!」
「へ?」
(ユフィが取られちゃうのは少し寂しいけど…でも、折角ユフィが初めて興味を持った人だしね)
ユフィはティファの考えている事なんて全くもって知らず。
「頑張ってね、ユフィ!応援してるから!」
「はぁ?」
よしよし、と頭を撫でられるが、意味が分からないユフィは首を傾げた。
(暇だなー…)
放課後の部活。ユフィはコートサイドで練習を見守る。
朝よりは痛みは少ないが、大事な大会が近い事もあり顧問はユフィを休ませた。
ユフィのポジションであるセカンドガードの代わりになる程の力を持った部員はいないのだ。
だからこそ、しっかりと完治させなければならない。
「キサラギ」
「はい」
顧問に名を呼ばれ、振り向くと何やらメモを渡された。
「何すか?これ」
「職員室からそれに書いてある物を持ってきてくれないか。怪我してるのに悪いな」
「別に大丈夫ですよ、じゃあ行ってきまーす」
体育館を出て、職員室へ向かう。
「えっと…」
紙に書いてあったのは、部誌、新しい練習メニュー、メガホンの3つだった。
「…それくらい持ってきておいてよね」
グチグチ言いながら『失礼しまーす』と言って職員室に入る。
「あれ、誰もいないじゃん」
職員室には誰もいなく、静かだった。
ユフィは顧問の机まで歩いていると、ふと足を止める。
(…この机って…)
今までに見た事のない新しい机。
クラウドの席だ。
綺麗に整頓されており、埃すらない。
あの教師の事だから、この机が汚くなる事はないのだろうけれど。
…隣のシドの机は恐ろしい程散らかっているが。
(ふーん…)
クラウドの机の上に置いてあった一冊のノートを手に取り、ぱらり、とページを捲る。
書いてあったのは、ユフィには全く分からない数式だらけだった。
クラウドの担当科目は数学。