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□A New DayC
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翌日の朝4時半。
いつも通りに起きたユフィは、ベッドを降りて自室を出る。
隣の部屋で寝ている父親を起こさないように階段を降り、キッチンへ行きエプロンを着けた。
「ふあ〜あ…ねむ…」
ごしごしと目を擦り、水道で手を洗う。
タオルで手を拭き、冷蔵庫を開けて卵や野菜類を取り出した。
「うし、やるか」
トントントン、と軽快な包丁の音が静かなキッチンに響く。
ユフィは慣れた手捌きで調理を始めた。
無駄な作業は全く無く、弁当を作ると同時に父親の朝食も作った。
ユフィ自身は朝食は取らない。
というより、作りながらおかずを摘んでいる為、ある程度腹は満たされるのだ。
3つの弁当を作り終わり、袋をキュ、と紐で結ぶ。
「出来たっと」
ちら、と時計を見れば、時間は5時半を回った所だった。
ユフィは2階の自室に戻り、制服に着替えた。
再び1階へ行き、洗面所で身嗜みを整える。
これで、時間はちょうど6時。
「よし、いつも通り」
言いながら、キッチンに父親へ『行ってきまーす。弁当忘れんなよ!』と置き手紙を残してユフィは家を後にした。
「よーし、いい感じ」
一番に体育館に到着したユフィ。
バッシュを履き、軽くランニングをしてからシュート練習を始めた。
元々軽い捻挫だった為か、1日安静にしていたお陰ですぐに治った。
完治はしていないが、軽い運動は出来る。
「ふー、ちょっと休憩」
朝練は7時から。
始まるまでまだ30分程ある。
他の部員や他の部活はいつもギリギリになってから体育館に現れる為、ユフィはそれまでは毎日一人で練習しているのだ。
「あ…」
いつものスポーツドリンクを飲んで、ふと目に映ったのは。
体育館の扉を横切った、あの教師…クラウド・ストライフ。
ユフィは走って扉まで行くと、クラウドの姿を捉えた。
「ツンツン頭ー!」
呼ばれ、振り向いたクラウドは笑いながらユフィに近付く。
「昨日も思ったが…いつもこの時間なのか?」
「あー、まぁね」
「足は?」
「もうぜーんぜん平気!昨日動いてない分うずうずしちゃって」
「ふーん…」
クラウドはそう言うと、靴を脱ぎ体育館に入る。
「どしたの?」
「ほら」
「へ?」
突然渡されたのは、バスケットボール。
「俺を抜いてみろ」
「出来んのー?」
ふ、と笑いながらクラウドはディフェンスについた。
そして、2人の1on1が始まった。