□A New DayD
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今日最後の授業は、数学。

クラウドの授業はとても的確で、解りやすかった。

……と、思う。

だが、ユフィは授業どころではなかった。

というのも、原因はやはり、あの教師。

昼休みのあの出来事が、頭から離れない。

離れてくれない。

放課後の部活も身が入らず、周りの部員に心配をかけさせてしまった。






「ああぁ…駄目だぁ…」

部活が終わり、正門でティファを待つ。

その間も、頭の中はクラウドの事で一杯だった。

気を緩めれば、すぐに脳裏に浮かぶ…あの、クラウドの真剣な顔。

思い出すだけで、ぼっと顔が真っ赤になる。

「ユフィ、お待たせ」

「ティファ〜…」

正門に現れたティファに直ぐさま縋り付くユフィ。

「はいはい、昼休みから様子がおかしかった理由。ちゃんと聞くから」






場所は変わって夕暮れのファミリーレストラン。

「何頼む?」

「んー…抹茶パフェ」

『了解』と言いティファは店員を呼び、ドリンクバー2つとユフィの抹茶パフェを注文した。

店員が奥へ行き、2人はドリンクバーへと移動してジュースを注ぎ再び席へ着く。

「…で、何があったのかな〜?ユフィちゃん?」

「…何でそんなに笑ってんの」

「ん?真剣真剣。ほら、早く教えてよ」

「実はさ…」





「えー!!」

「ちょ、ティファ、声大きい」

昼休みの出来事をあったまま話すと、ティファは驚きの表情を隠せなかった。

と、同時にどこか楽しげな顔をしている。

「でも、なんか急展開じゃない?昨日の朝会ったばかりでしょ?」

「うん…あのツンツン頭、何考えてんのかさっぱり分かんない…」

「……ねぇユフィ」

「う?」

抹茶パフェを口に含んだ所で呼ばれ、ティファの方を向く。

「あの人の事…好き?」

「…スキ…?」

「うん、恋愛対象として」

スキ…

すき…

好き…?

あたしが、アイツを?

何度も何度も頭の中で繰り返す。

ぼふっ

考えすぎて、頭が破裂しそうだった。

だって、相手は教師で自分は生徒。

それに、昨日会ったばかりなのに…もう、好き、なんて。

「ないないないない!」

そう言い聞かせ、ユフィはパフェを口一杯に入れた。

その様子を見ていたティファ。

(…素直になればいいのになぁ)

ティファから見れば、ユフィは驚く程分かりやすいというのに。
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