□A New DayK
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「んー…」

温かい温もりに包まれながらそっと目を開ける。

「っ…」

クラウドに抱き締められていたと分かり、一瞬驚いたがすぐに状況を理解したユフィ。

(そっか、あたし…)

クラウドに、抱かれたんだ。

(っ!)

昨夜の情事を思い出し、ぼっと顔が赤くなる。

ぶんぶんと首を横に振り、クラウドの寝顔を見つめた。

やはり、カッコイイ。

「ふふ…」

思わず笑い声が零れる。

その声に反応し、クラウドがそっと目を開けた。

「あ、ごめん…」

「ん…」

寝起きの、掠れた声。

色っぽく、再びユフィを笑顔にさせた。

「クラウド…?わっ…」

突然強く抱き締められ、額にキスをされる。

そして、優しい、蒼い瞳で見つめられた。

「おはよう」

「あ、お…おはよ」

なんてことない朝の挨拶が、こんなにも嬉しい、だなんて。

くすぐったくて、顔が自然とにやけてしまう。

「何笑ってるんだ?」

「んーん、別に」

「ふーん…体は大丈夫か?」

「え、と…」

駄目だ。

再び昨夜の事を思い出してしまい、途端に恥ずかしくなった。

(わーっ…何で急にっ)

顔が真っ赤になり、思わずクラウドに背を向けてしまった。

「ユフィ?」

「いっ、今…顔見ないで…」

「そう言われると見たくなってくるな」

「やっ…」

後ろから抱き締められ、耳を甘噛みされるとユフィの体は面白いほど跳ねた。

「感じた?」

「っ…ばか…」

一緒に朝を迎えられた事が、何よりも幸せ。

今までなら、想像もできなかったのに。

ちら、とクラウドを盗み見れば、ほら、いつもと同じ余裕の顔。

何故かそれがカンに障り、悔しくなってユフィは自分からクラウドにキスを仕掛けた。

クラウドの驚いた表情。

初めて、優位に立った気がして少し嬉しくなったのだった。
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